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【おすすめ本】お金自体に価値はない-『君のお金は誰のため』が教えてくれること

「お金の本質を知り、社会の仕組みを理解する - 『君のお金は誰のため』が教えてくれること」

ごきげんマッスル💪

こたすけです

私たちは日々お金を稼ぎ、使い、貯めています。しかし、そもそもお金とは何なのでしょうか?お金の本質を理解せずに、ただ漠然と「お金があれば幸せになれる」と信じて生きていないでしょうか。

田内学氏の著書『君のお金は誰のため』は、そんな私たちにお金の本質と社会の仕組みを分かりやすく教えてくれる一冊です。この本を読むと、お金に対する見方が大きく変わり、より豊かな人生を送るためのヒントを得ることができます。

本書の核心は、以下の3点に集約されます:

  1. お金自体には価値がない
  2. お金で解決できる問題は実はない
  3. みんなでお金を貯めても意味がない

これらの主張は一見すると常識に反するように思えますが、本書を読み進めると納得がいく説明がなされています。

まず、「お金自体には価値がない」という点について考えてみましょう。私たちは普段、お金があれば何でも手に入ると思いがちです。しかし、本書によれば、お金はただの紙切れに過ぎず、その背後にある人々の労働こそが本当の価値を生み出しているのです。

例えば、コーヒーショップでコーヒーを買う時、私たちはお金を渡してコーヒーを受け取ります。一見するとお金がコーヒーに変わったように見えますが、実際にはそのお金を受け取って働いてくれる店員さん、コーヒー豆を栽培する農家の人々、豆を運ぶトラック運転手など、多くの人々の労働があってはじめてコーヒーが作られているのです。

次に、「お金で解決できる問題は実はない」という主張について見てみましょう。これも一見すると違和感を覚えるかもしれません。確かに、お金があれば多くの問題が解決できるように思えます。しかし、本書の視点に立つと、問題を解決しているのはお金ではなく、そのお金を受け取って働いてくれる人々なのです。

例えば、国が教育に力を入れようとしても、実際に教える先生がいなければ何もできません。ジンバブエの例では、政府がお金を大量に発行しても、生産力が伴わなかったためにハイパーインフレを引き起こしてしまいました。つまり、お金だけでは問題は解決せず、実際に働く人々がいてこそ社会は機能するのです。

最後に、「みんなでお金を貯めても意味がない」という点について考えてみましょう。私たちは将来に備えてお金を貯めることが大切だと教えられてきました。しかし、本書ではこれも社会全体で見ると意味がないと指摘しています。

なぜなら、お金を貯めても、それを使える時に働いてくれる人がいなければ意味がないからです。例えば、少子高齢化が進み、働き手が激減した社会では、いくらお金を持っていても、サービスを提供してくれる人がいなければ何も買えません。つまり、本当に必要なのは、生産性を上げることや、社会基盤を整備することなのです。

これらの主張は、私たちのお金に対する考え方を大きく変えるものです。お金自体を追い求めるのではなく、お金の向こう側にある人々の労働や社会全体の仕組みに目を向けることの大切さを教えてくれています。

本書を読むことで、私たちは以下のような新しい視点を得ることができます:

  1. お金を使う時、その背後にいる人々の労働に感謝する心
  2. 社会全体の生産性や仕組みを考慮した上での政治参加
  3. 将来の豊かさのために、個人の貯蓄だけでなく社会基盤の整備にも目を向ける姿勢

これらの視点を持つことで、私たちはより豊かで持続可能な社会を作り上げていくことができるでしょう。

『君のお金は誰のため』は、難しい経済の話を小説形式で分かりやすく説明しているため、経済に詳しくない人でも楽しく読むことができます。お金の本質を知り、社会の仕組みを理解したい人にぜひおすすめの一冊です。

著者の田内学氏は、東京大学経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックス証券で16年間トレーディング業務に従事しました。その経験を活かし、現在は執筆活動を行っています。金融の最前線で培った知識と経験を基に、一般の人々にも分かりやすくお金と社会の関係を説明する本書は、多くの読者に新たな気づきを与えてくれることでしょう。

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